3.家族構成によって税金の有無が違う話
相続税は所得税と異なり遺産を相続した家族単位で税額計算がされます。
どういうことかというと、
所得税は
「一人の人に一年の間にいくらお金が入ったか」を基礎として税額計算されます。
一方で、相続税は
「遺族全体でいくら相続したのか」を基礎として税額計算がされます。
「自分がいくらもらったかだけでは、税額計算ができない」
というわけです。
少しわかりづらいので
具体例で考えてみましょう。
お父さんが亡くなって子供5人に現金1000万円ずつ相続した場合と
お父さんが亡くなって子供10人に現金1000万円ずつ相続した場合
を比べてみましょう。
どちらのケースも一人1000万円もらっています。
一般的なの感覚であれば、どちらも税額は同じになるはずです。もらっている額が同じだからです。
しかし、
お父さんが亡くなって子供5人に現金1000万円ずつ相続した場合には相続税はかかりません。
お父さんが亡くなって子供10人に現金1000万円ずつ相続した場合には、一人あたり10万円の相続税がかかります。
このように税額が異なります。
相続財産全体の金額で比較すると少しわかるかもしれません。
お父さんが亡くなって子供5人に現金1000万円ずつ相続した場合には、相続財産の総額は5000万円
お父さんが亡くなって子供10人に現金1000万円ずつ相続した場合には、相続財産の総額は1億円になります。
税額が発生する子供10人の方が相続財産の総額が大きいことがわかります。「多くの相続財産があるので、そちらの方が相続税が大きくなる」わけです。
というわけで、どんな相続税の試算サイトに行っても、
法定相続人の数
相続財産の総額
については、試算をするのに必ず必要になる要素になります。
(遺産に係る基礎控除)
第十五条 相続税の総額を計算する場合においては、同一の被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した全ての者に係る相続税の課税価格(第十九条の規定の適用がある場合には、同条の規定により相続税の課税価格とみなされた金額。次条から第十八条まで及び第十九条の二において同じ。)の合計額から、三千万円と六百万円に当該被相続人の相続人の数を乗じて算出した金額との合計額(以下「遺産に係る基礎控除額」という。)を控除する。
2 前項の相続人の数は、同項に規定する被相続人の民法第五編第二章 (相続人)の規定による相続人の数(当該被相続人に養子がある場合の当該相続人の数に算入する当該被相続人の養子の数は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める養子の数に限るものとし、相続の放棄があつた場合には、その放棄がなかつたものとした場合における相続人の数とする。)とする。
一 当該被相続人に実子がある場合又は当該被相続人に実子がなく、養子の数が一人である場合 一人
二 当該被相続人に実子がなく、養子の数が二人以上である場合 二人
3 前項の規定の適用については、次に掲げる者は実子とみなす。
一 民法第八百十七条の二第一項 (特別養子縁組の成立)に規定する特別養子縁組による養子となつた者、当該被相続人の配偶者の実子で当該被相続人の養子となつた者その他これらに準ずる者として政令で定める者
二 実子若しくは養子又はその直系卑属が相続開始以前に死亡し、又は相続権を失つたため民法第五編第二章 の規定による相続人(相続の放棄があつた場合には、その放棄がなかつたものとした場合における相続人)となつたその者の直系卑属
(相続税の総額)
第十六条 相続税の総額は、同一の被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した全ての者に係る相続税の課税価格に相当する金額の合計額からその遺産に係る基礎控除額を控除した残額を当該被相続人の前条第二項に規定する相続人の数に応じた相続人が民法第九百条 (法定相続分)及び第九百一条 (代襲相続人の相続分)の規定による相続分に応じて取得したものとした場合におけるその各取得金額(当該相続人が、一人である場合又はない場合には、当該控除した残額)につきそれぞれその金額を次の表の上欄に掲げる金額に区分してそれぞれの金額に同表の下欄に掲げる税率を乗じて計算した金額を合計した金額とする。
千万円以下の金額
百分の十
千万円を超え三千万円以下の金額
百分の十五
三千万円を超え五千万円以下の金額
百分の二十
五千万円を超え一億円以下の金額
百分の三十
一億円を超え二億円以下の金額
百分の四十
二億円を超え三億円以下の金額
百分の四十五
三億円を超え六億円以下の金額
百分の五十
六億円を超える金額
百分の五十五