相続で未成年の人が財産を取得した場合、相続税を安くしてあげよう。

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未成年者控除

未成年の人が相続で財産を取得した場合、相続税を安くしてあげようという割と普通の規定です。

未成年の間に、相続税がかかるほどの財産をもらうというのは大変なことです。
ただ、未成年の間に「親が亡くなる」ということはもっと大変なことです。

相続税が全くかからない同じような立場の人よりは恵まれているのかもしれませんが、親の命は「税額が安い高い」ということとは別次元のものです。

もちろん
「相続税額が安くなる」
という程度ではカバーできないぐらいの傷を心に抱えることもあると思います。

実際のところ
「子供だけ残されて相続税申告をしなければならない」
という状況を目の当たりにしたことは、個人的にはまだありません。

そういう状況は本当になくなってほしいものです。

ただ、お父さんが亡くなって幼い子供2人とお母さんが残されるという事例は割とあります。
お母さんがいるので未成年の子どもたちと直接話すことはないのですが、やはり切ない事例であることは間違いありません。

相続税申告を仕事としてやる気が起きづらいのはこういうところです。

とはいえ、そういう家族の方が一家の大黒柱のお父さんが急死して困っています。

それほど難しい規定ではないですが、そういう家庭を多少なりとも支援する制度である未成年者控除について紹介したいと思います。

《制度の概要》

制度の概要としては、
「未成年者が20歳になるまでは年間10万円相続税を安くしてあげる」
という制度です。

15歳でお父さんが亡くなった男の子がいて、「本来の相続税額が100万円だ」
というときでも、
(20歳ー15歳)×10万円=50万円
相続税額が安くなります。
100万円ー50万円=50万円
で良いということです。

ざっくり20歳ー15歳という計算をしましたが、1年未満の期間がある人は1年に切り上げられます。

なので
{20歳ー(その子の年齢)}×10万円
で控除額というのは計算できます。

※20歳未満の相続人にはこの規定が適用されます。結婚していても相続税法上は20歳未満であれば「未成年者」という扱いになります。
民法上は胎児も相続人になりますのでこの規定の対象です。

※未成年者控除の規定は人生で1回という想定で規定されています。不幸にも未成年の間に2回も相続があったときには、2回目も1回目と同様に未成年者控除が受けられるわけではありません。そうしたケースの際には少し気をつけましょう。

《相続人に未成年者がいるときの注意点》

相続税法の規定上、外国に住んでいる未成年の場合には、日本国内の財産以外には相続税額が課されないことがあります。
そういう未成年の相続人は相続税額が安くなることがありません。
「国外に課税されない財産があるわけだからそうした人まで日本の法律で保護しない」という趣旨のようです。

「外国に住んでいる」という場合には少し気をつけましょう。

また、未成年者が相続人であっても実際に財産を取得しないとこの規定の適用はありません。

「未成年だから全部お母さんの財産にしておく」
というような場合には、この税額控除の規定がありません。気をつけましょう。

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《ひききれない時》

「未成年者控除で相続税額が100万円安くなるけれども、未成年の相続人の相続税額がそもそも50万円しかない。」ということがあります。

そういう時には、ひききれなかったのこりの50万円の枠を、未成年の扶養義務者の相続税額から差し引くことになっています。

お父さんが亡くなってお母さんと子供が残されたという場合には、子供の相続税額からひききれなかったらお母さんの相続税額から差し引くということです。

未成年者控除の趣旨にあっています。

「未成年が大人になるまでは亡くなった人の代わりに多少なりとも支援する」という趣旨ですから、扶養義務者の負担を軽くすることは趣旨に沿っていることになるわけです。

それで、この規定がありますから未成年者にもいくらか財産を取得させるようにすることは相続税額の総額を考えると重要になってきます。

※未成年者が相続人にいる場合には、遺産分割協議の際に特別代理人をたてる必要が生じます。それについては別の記事で
参考記事:相続人に未成年者がいる場合の手続きは?家族とはいえ・・・

《条文》
(未成年者控除)
第十九条の三 相続又は遺贈により財産を取得した者(第一条の三第一項第三号又は第四号の規定に該当する者を除く。)が当該相続又は遺贈に係る被相続人の民法第五編第二章(相続人)の規定による相続人(相続の放棄があつた場合には、その放棄がなかつたものとした場合における相続人)に該当し、かつ、二十歳未満の者である場合においては、その者については、第十五条から前条までの規定により算出した金額から十万円にその者が二十歳に達するまでの年数(当該年数が一年未満であるとき、又はこれに一年未満の端数があるときは、これを一年とする。)を乗じて算出した金額を控除した金額をもつて、その納付すべき相続税額とする。
2 前項の規定により控除を受けることができる金額がその控除を受ける者について第十五条から前条までの規定により算出した金額を超える場合においては、その超える部分の金額は、政令で定めるところにより、その控除を受ける者の扶養義務者が同項の被相続人から相続又は遺贈により取得した財産の価額について第十五条から前条までの規定により算出した金額から控除し、その控除後の金額をもつて、当該扶養義務者の納付すべき相続税額とする。
3 第一項の規定に該当する者がその者又はその扶養義務者について既に前二項の規定による控除を受けたことがある者である場合においては、その者又はその扶養義務者がこれらの規定による控除を受けることができる金額は、既に控除を受けた金額の合計額が第一項の規定による控除を受けることができる金額(二回以上これらの規定による控除を受けた場合には、最初に相続又は遺贈により財産を取得した際に同項の規定による控除を受けることができる金額)に満たなかつた場合におけるその満たなかつた部分の金額の範囲内に限る。

《まとめ》

未成年者控除というものが相続税法では規定されています。20歳になるまで1年につき10万円です。
ちなみに、平成26年12月31日までは1年につき6万円だったものが平成27年から1年につき10万円に改正されています。
未成年者の育成を支援するという法律上の趣旨をふまえて遺産分割をするようにしましょう。

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